コーチングは十人十色。プロコーチにも「色」がある。

ロールプレイという形で、プロコーチのセッションを体験させていただきました。数名の方と関わるうちに気づいたのが、同じコーチングでもコーチによって「色」があるということです。そのコーチが得意とする領域であったり、コーチ自身の個性が表れていました。
実際に自分がコーチングを受けるときには、この「色」を意識して、自分に合ったコーチ、もしくは自分にない面を持つコーチを選ぶことも重要になってきます。
今回のセッションでわたしが感じた色は、大きく次の3つに分けられます。
- ロジカル系
- 感覚系
- 感情系
それぞれの特徴を見ていきます。コーチ選びの参考にしてください。
1. ロジカル系
論理的な展開でセッションを進めていきます。あいまいな点を明確にしようとする質問が多く、漠然としたイメージがどんどん収束していくのを感じました。
「楽しいとつまらないはどのように区別していますか?」と言った具合に、クライアントにとってグレーな部分に改めて意識を向けてもらいます。
2. 感覚系
身振りや手振り、話す速さ、声の強弱などに意識を向けた関わり方をしていました。NLP(神経言語プログラミング)から入った方はこの感覚系が得意なようです。
無意識に声が大きくなったり、動作が大きくなるところは、自身にとってもっとも重要な部分であり、この点を切り口にして自分の強みや意欲が開発されるように思いました。
3. 感情系
楽しみや怒りといった感情を重要視します。わたしのコーチングはこの系統に当てはまります。
話を聞くなかで「楽しい」や「イライラした」という感情から、「どのように感じたのですか?」と聞いてみたり、さらには「本当はどうしたいと思いましたか?」と内面をどんどん深堀りしていきます。
感情を自覚することはあっても、「どうしてイライラしたのだろう」と感情の源泉にまで意識が向く人はほとんどいないので、こういった関わりは今までにない刺激として感じられるはずです。
すべてのコーチの共通点
上では大きく3つのタイプに分けてみましたが、実際のコーチングはコーチによって十人十色だと思います。
そんな中でも、すべてのコーチに共通している点がありました。それは、クライアント主体であること と 次の行動を促すこと です。
セッションのテーマはクライアントの話しやすいところから入ります。そして話の間もコーチは傾聴に徹し、知るための質問や提案などは行なっていませんでした。質問をするときも、「そのことを仕事の面でどのように活用したいですか?」と状況を限定するのではなく、「どのように伸ばしていきたいですか?」といった感じで、方向性をクライアントに委ねる関わり方をしていたのが印象的でした。
また、話は過去のことであっても必ず「次はどうするか」と行動を促すアプローチが徹底されていました。これがクライアントの「もっと良くなりたい」「もっと成長したい」という意欲を刺激し、行動を起こしやすくしているのだと思います。
さいごに
一言でコーチングと言っても、コーチによって色が異なり、その色がクライアントにとってプラスに働いたり、時にはマイナスに作用してしまうこともあります。
- 答えは相手自身の中にある
- 相手は成長することを望んでいる
というコーチングの原則を前提として、それぞれのコーチ特有の色もコーチングが機能するために重要な要素なのは間違いありません。