待つことも大事な仕事ですよ。
世の中には、ただ待っていることをとんでもない悪だと感じる人がいるらしい。「待っている間でも何かできることあるでしょ」と言いたい気持ちもわかる。実際そう言ってくる人は常に手を動かしているように見える。
でも、ちょっと待って。全員が全員そんなことをやっていると大変なことになることをわかってほしい。待つことも、手を動かすことと同じくらい大事な仕事なんですよ。
仕事の5割は「待つこと」
過去に製品の評価業務をしていた影響でしょうか。一旦試験を始めると取り出すのが3時間後、6時間後というのがザラで、仕事の半分くらいは「待つこと」だった時期があり、いつの間にか「待つこと」を仕事の1つとして認識するようになっていました。もちろん、その間にも別の試験を進められるよう、できるだけ効率的な計画を立ててはいたのですが。
どんな仕事でも「待つしかない」という時間はあると思います。連絡待ち、荷物待ちなど、そんなときは「待つことが仕事」と言っても間違いではないはずです。
「待機」は最高のスタートダッシュのための準備
「待つことが仕事」のときは、待つ目的が最優先事項の場合がほとんどです。試験が終わったら最優先で評価してほしいとか、真っ先に進めたいプロジェクトだとか。それまでの待機はそのスタートダッシュを最高のものにするための時間だと思っています。
待っている間に別の仕事に手を付けてしまったらどうなるでしょう。片手間に始めた仕事のキリがつかなくなるかもしれません。十分に準備ができていないかもしれません。まぁ本人は同時進行で仕事を進められているような感覚になって有能感を味わっているかもしれませんが。
片手間に手伝いに来られる側として迷惑です。仕事というものは概ねチームでやるものです。「手が空いたので何かすることありませんか」と来られても、それだけで「この人に仕事を与える」という仕事がまた1つ増えます。本当に有能な人なら、割り振れるタスクを完全に把握しているかもしれませんが、残念ながらそんなできた人ばかりではありません。しかも待機が解けたら抜けてしまうので、それならいっそ「手伝わなくてもいいよ」と言いたくなるでしょう。
待つ≠悪
待つことのできない人は、待っていること=給料泥棒みたいな、強迫観念が強いんじゃないかと思えてきます。それでは仕事の上で時間を有効に使うことが最終目標になってきます。でも違いますよね。たくさん仕事をするよりも、求められる成果を出すことのほうが重要じゃありませんか。
百歩譲って、何かしてなきゃ落ち着かないというなら仕方がないけれど、それを周りに押し付けないでほしい。待つことには、考え事を整理したり、集中を保つ効果もあるんですよ、と。
待つことも仕事という認識。多くの人に広まってくれるといいなぁと思います。