なぜ、続けたい習慣は続けられないのか?
ダイエット、禁煙、早起き、運動……。習慣づけようと思い立ったけれど、結局続けられずに断念してしまうなんてことは誰もが経験することです。一体この続けることの難しさはどこから来るのでしょうか。
その答えのひとつが、Derek Sivers の "Keep your goals to yourself (目標は人に言わずいおこう)" にあるかもしれません。
Sivers 曰く、「人は他人に目標を話してしまった時点で、ある種の社会的実現を感じてしまう」のだそうです。架空の満足感を得た結果、目標達成にともなう苦痛への動機づけを失い、継続することが困難になってしまいます。
この話でやっかいなのは、達成困難な目標ほど、人に話したくなってしまうという点です。上で例に挙げた、ダイエット、禁煙、早起き、運動は、誰もが認める「良いおこない」です。これを目標に掲げた時点で理想の自分に一歩近づき、それを聞いた人々はさぞかし自分を尊敬に、激励してくれるだろうと悦に入ります。こうなるともう人に話さずにはいられません。「宣言したからには後に引けない」なんて殊勝なことを言いつつも「すごいね」「がんばってね」と言われるたびに勝手に達成感を得てしまいます。
そうならないために提案したいのが、「始めるときはこっそりと、やってみてから話そうよ」ってことです。「明日からやる」じゃなくて「1ヶ月前からやってるんだけど…」にする。目標よりも事実を積み上げるんです。こうしたほうが説得力が出て、相手の感心の念も上がると思いませんか。美味しいものを後にとっておくつもりで、目標は人には言わず、まず行動に移してみましょう。